新品のマットレスを購入したときの独特な臭いは、ウレタンフォームの製造工程で使われる「アミン」という薬品の揮発が十分でなかった場合に感じられることがあります。その臭いが健康に影響を及ぼさないか心配な方も多いでしょう。
この記事では、なぜ新品のマットレスに臭いが発生するのか、その原因と具体的な消臭方法について詳しく解説します。簡単に実践できる方法もまとめてますので、ぜひ参考にしてください。
新品マットレスの臭いの原因とは?
新品マットレスの臭いの主な原因は、使用されている素材や製造工程に由来します。元となる原因を理解することで、効果的な対策が取りやすくなります。
臭いの正体はアミン触媒の影響によるもの
軟質ポリウレタンフォームの臭いの主成分は触媒として使用されている第3級アミン類です。これはポリウレタンフォーム製造時0.05~0.5%の濃度で添加され、製造時の熱により大半は揮発しますが一部フォーム中に残存し、これが軟質ポリウレタンフォームを開梱した時に臭いとして残っていることがあります。
引用元:日本ウレタン工業協会「軟質ポリウレタンフォームの衛生・安全性について」
ウレタンマットレスは製造過程で、微量のアミン触媒が使用されます。アミン触媒には、揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる化学物質が含まれることがあり、このVOCが原因で、新品のマットレスから独特な臭いが放たれることがあります。
しかし基本的には、時間が経つとともに自然に揮発し、徐々に臭いが弱まります。それでも、気になる方はすぐに対策を取ることをおすすめします。
密閉梱包による臭いの蓄積
新品マットレスは輸送時に密閉された状態で梱包されることが多いです。この密閉状態により、揮発性化合物の臭いがマットレス内部に蓄積され、開封時に一気に放出されることがあります。
長期間の密閉状態が続くと、臭いが強くなることがあるため、購入後はすぐに風通しの良い場所で開封しましょう。
通常、工場で製造されたマットレスは、密閉前に倉庫に保管されます。その保管される期間で匂いが揮発しますが、それが不十分だとウレタン臭が残ってしまうわけですね。
新品ウレタンマットレスの臭いによる健康への影響
マットレスのウレタン臭は、理論的には健康へ影響を与えることはありません。しかし、ツンとした臭いを嗅ぐと、気分が悪くなったり、頭痛がするケースがあるのも事実です。
濃度は非常に低いので、人体への影響はほとんどないと言えましょう。ただしその臭いに違和感を感じ、気分が悪くなると判断された場合は、日陰で充分風に曝してから御使用下さい。
引用元:日本ウレタン工業協会「軟質ポリウレタンフォームの衛生・安全性について」
また、マットレスの臭いが気になると、なかなかリラックスして眠れないケースも考えられます。健康で快適な睡眠環境を保つためには、ウレタン臭の問題を早めに解決することが重要です。
プロが教える新品マットレスの簡単な消臭方法6選
ここでは、マットレスの専門家がおすすめする新品マットレスの消臭方法を5つ紹介します。
どれも簡単に実践できるので、ぜひ試してみてください。
- 陰干しをする
- 掃除機を使う
- 重曹を使った消臭
- クエン酸を使う
- 消臭スプレーを使用する
- 消臭シートを使用する
- 消臭剤を使用する
陰干しをする
風通しの良い場所にマットレスを陰干しすることで、化学物質の臭いの揮発を早めることができます。直射日光に当てるのは、ウレタンフォームや側地を劣化させることがあるため、日陰での乾燥が最適です。
臭いが完全に消えるまでは、数時間から数日間の陰干しが必要になるでしょう。
掃除機を使う
マットレスの表面を掃除機で丁寧に吸い取ることで、臭いの原因となる化学物質やホコリを取り除けます。特に、マットレスの縫い目や角の部分を重点的に掃除しましょう。
重曹を使った消臭
重曹は消臭効果が高く、マットレスの臭いを吸着して取り除くのに非常に効果的です。
やり方は、マットレス全体に均等に重曹を振りかけ、数時間置いてから掃除機で吸い取るだけ。重曹は天然素材で安全性が高いため、小さなお子様やペットがいても安心して使用できます。一度で効果が薄かった場合は、繰り返しおこなうことで効果がさらに高まります。
クエン酸を使う
クエン酸も臭いの消臭に有効なアイテムです。やり方はまず、200mlの水に小さじ1杯のクエン酸を溶かしてクエン酸水を作ります。そのクエン酸水をスプレーボトルに入れ、マットレスに軽く吹きかけて使用しましょう。
クエン酸は臭いの元を分解し、中和する働きを持っています。吹きかけた後はしっかりと乾かすことが大切です。湿った状態を放置するとカビが発生することがあるため、風通しの良い場所で乾燥させるか、ドライヤーを使用して乾かしましょう。
消臭スプレーを使用する
市販の無香性消臭スプレーを使うことで、臭いを軽減できます。香り付きではなく無香性のものを選ぶと、他の香りと混ざって不快になるのを避けられます。
消臭剤の効果を最大限に引き出すためには、マットレス全体にまんべんなくスプレーすることがポイントです。
消臭シートを使用する
消臭シートをマットレスの下や周辺に敷くことで、臭いを吸収し、持続的に消臭効果を発揮します。寝ている間にも消臭効果を得られるのが魅力です。このシートは交換も簡単なので、使い捨てタイプを選ぶと手軽に取り替えられます。
消臭剤を使用する
置き型の消臭剤を使用する方法も効果的です。マットレス近くに設置することで、より効果的に臭いを吸収できます。寝室全体に臭いが充満するのを防ぐことが可能です。
新品マットレスの臭いが取れない場合の対策
もしも簡単な消臭対策を試しても臭いが取れない場合は、交換や保証サービスの利用を試みましょう。
ただし、ウレタン臭はいつか必ずなくなるものです。匂いが原因で交換や返品をしてくれるメーカーは少ないので、その点を理解したうえで購入店舗に相談してみてくださいね。
マットレスの交換を検討する
どうしても臭いが取れない場合は、マットレスの交換を考えるのも一つの方法です。製品自体に問題がある可能性もあるため、新品に交換することで臭いの問題を解決できます。
購入時の保証や交換ポリシーを確認しておくと、万が一のときに役立ちます。
保証サービスの活用
新品マットレスには、保証サービスが付いていることが多いです。保証期間内であれば、交換や返金対応を受けられる場合もありますので、購入時に確認しておくと良いでしょう。
保証サービスを利用することで、費用をかけずに新品のマットレスを手に入れることができます。
まとめ
新品のマットレスの臭いは、化学物質やウレタンフォームの特性によるものが主な原因です。
簡単な消臭方法としては、陰干し、重曹やクエン酸の使用、掃除機による掃除などが効果的。もしも臭いが取れない場合は、マットレスの交換、保証サービスの活用を検討してください。
これらの方法を活用して、新品マットレスの臭いをしっかりと対策し、快適な眠りを手に入れましょう。
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