【プロが解説】ポケットコイルマットレスのデメリットと選び方

ポケットコイルマットレスは、価格や重さなどがデメリットになりがちです。また、ボンネルコイルに比べると、通気性や耐久性が劣るという面もあります。

この記事では、ポケットコイルマットレスの特徴や主なデメリット、そして選ぶ際のポイントを詳しく解説。デメリットを理解し、自分に合ったマットレス選びの参考にしてください。

目次

ポケットコイルマットレスとは?その特徴やメリットを解説

ポケットコイルマットレスは、独立したコイルがひとつひとつ袋に包まれ、土台として敷き詰められた構造を持つマットレスです。体にフィットしやすい寝心地が特徴で、多くの人に支持されています。

ポケットコイルマットレスの特徴・メリット
  • コイルが独立して動く構造
  • 体圧分散性に優れている
  • 寝心地が安定しやすい

コイルが独立して動く構造

ポケットコイルマットレスの最大の特徴は、コイルが一つ一つ独立して動く構造にあります。これにより、体の形や動きに合わせてコイルが細かく順応し、部位ごとの体圧に合わせた沈み込みが実現します。ボンネルコイルマットレスに比べると、同じベッドで眠るパートナーの動きが気になりにくいのも魅力です。

体圧分散性に優れている

ポケットコイルは体圧分散性に優れており、体の重い部分だけに負担がかかるのを防ぎます。腰や肩への圧力が分散されやすく、特に、長時間横になることが多い人や、特定の部位に痛みを感じやすい人に適しています。

寝心地が安定しやすい

独立したコイルによるサポートは、体全体を均一に支えるため、寝心地が非常に安定しています。ポケットコイルマットレスは、特に横になった時の「沈み込みすぎる」感覚が少なく、背骨が自然な形でサポートされるため、正しい寝姿勢を保ちやすいのも特徴のひとつです。

ポケットコイルマットレスの主なデメリット

ポケットコイルマットレスには、多くのメリットがある一方で、価格や重さなどについてのデメリットがあります。

ポケットコイルマットレスのデメリット
  • 価格が高めになりがち
  • 重量が重く、取り扱いが大変
  • 通気性が悪くなりやすい
  • コイルのへたりによる寿命の短さ

価格が高めになりがち

ポケットコイルマットレスは、ボンネルコイルマットレスやウレタンマットレスに比べて、価格が高めになる傾向があります。価格が高くなりやすい主な理由は、コイルを個別に包み込む構造や、高度な製造工程、使用する素材の品質によるものです。高品質な素材を使ったマットレスはさらに高額になりやすいため、購入時に予算に注意する必要があります。

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一方で、安めのコイルマットレスを下手に選んでしまうと、耐久力が低く2~3年でへたることがあるため慎重な判断が必要です。

重量が重く、取り扱いが大変

ポケットコイルマットレスは、鋼製のコイルが数百個使われており、重たくなりがちです。特に、ダブルサイズやクイーンサイズのマットレスになると、30~40kgにもなる商品もあったりと、持ち運びや部屋の配置換えが非常に大変です。マットレスを頻繁に動かす必要がある人には、負担になる可能性があります。

通気性が悪くなりやすい

ポケットコイルマットレスのコイルがひとつひとつ袋に入っているという構造上、内部に湿気が溜まりやすく、通気性が他のマットレスに比べて悪くなる場合があります。特に湿気が多い地域や、通気性の悪い部屋では、マットレス内部にカビが発生するリスクが高くなります。

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「カビ発生リスク」については、丁寧に、だいじに扱えばデメリットにはならない点でもあります。適切なお手入れを欠かさないようにましょう。

コイルのへたりによる寿命の短さ

ポケットコイルは、独立したコイルがそれぞれの部位を支えるため、コイルひとつにかかる負荷が大きくなります。そのため、すべてのコイルが繋がっているボンネルコイルと比べて、耐久性が低い傾向です。一度コイルがへたると、マットレス全体のバランスが崩れ、寝心地が悪くなることがあります。このため、使用年数によっては、比較的早い段階で買い替えが必要になることも考えられます。

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コイルのへたりには、ローテーションが大きな対抗手段となります。約4か月ごとにひっくり返して負担を分散させましょう。

ポケットコイルマットレスが合わない人とは?デメリットを考慮した選び方

ポケットコイルマットレスには様々なメリットがありますが、全ての人に適しているわけではありません。特徴やデメリットを考慮すると、以下のような人にはあまりおすすめできない場合があります。

ポケットコイルマットレスが合わない人
  • 硬めの寝心地を好む人
  • 湿気の多い地域に住んでいる人
  • 頻繁にマットレスを動かす必要がある人

硬めの寝心地を好む人

ポケットコイルマットレスは、一般的に柔らかめで体を包み込むような寝心地が特徴です。そのため、硬めのマットレスを好む人には合わない可能性があります。硬めの寝心地を求める人は、ボンネルコイルやウレタンフォームなど、別の種類のマットレスを検討する方が良いでしょう。

湿気の多い地域に住んでいる人

ポケットコイルマットレスは、ボンネルコイルマットレスと比べて通気性がやや劣るため、湿気の多い地域や季節に使用する場合、内部に湿気が溜まりやすいデメリットがあります。適切な湿気対策をしないと、カビの原因となり、衛生面でも問題が発生することがあります。湿気の多い環境では、より通気性に優れたマットレスを選ぶ方が適しています。

頻繁にマットレスを動かす必要がある人

ポケットコイルマットレスはその重量がネックとなり、頻繁にマットレスを移動させる必要がある場合には取り扱いが困難になります。例えば、掃除や引越し、季節ごとの部屋の模様替えなどでマットレスを頻繁に動かす人には、軽量なで扱いやすいマットレスを選ぶ方が現実的です。

ポケットコイルマットレスを積極的におすすめしたい人

一方で、ポケットコイルマットレスは以下のような人には特におすすめです。

ポケットコイルマットレスが合わない人
  • フィット感を求める人
  • 振動吸収性の高いマットレスを探している人
  • 腰痛や肩こりに悩んでいる人

まず、体のラインに合わせたフィット感のある寝心地を求める人、そして、パートナーと寝ていても動きが気にならないマットレスを探している人には最適です。また、腰痛や肩こりに悩んでいる人も、ポケットコイルマットレスの体圧分散性により改善が期待できます。

ポケットコイルマットレスと他のマットレスの比較

ポケットコイルマットレスの選択肢を検討する際には、他のタイプのマットレスとの比較も重要です。ここでは、代表的なマットレスとの違いを解説します。

ボンネルコイルマットレスとの比較

ポケットコイルマットレスと比べて…
  • 寝心地:硬め
  • 通気性:高い
  • 振動吸収性:低い
  • 価格:安い
  • 体圧分散性:低い
  • 重さ:同じくらい

ボンネルコイルマットレスは、コイルが連結しており、ポケットコイルに比べて硬めの寝心地です。寝返りを打つと全体が揺れるため、寝ているあいだの振動が伝わりやすいのが特徴です。価格はポケットコイルに比べて比較的安価ですが、体圧分散性は劣るため、腰痛や肩こりに悩んでいる人には不向きです。

ウレタンマットレスとの比較

ポケットコイルマットレスと比べて…
  • 寝心地:ニュートン値による
  • 通気性:高い
  • 振動吸収性:高い
  • 価格:安い(密度による)
  • 体圧分散性:低反発ほど高い
  • 重さ:軽い

ウレタンマットレスは軽量で持ち運びがしやすく、通気性も良い点が魅力です。ただし、ポケットコイルほどの体圧分散性はありません。また、ウレタン素材は温度変化によって硬さが変わる特性があり、冬場に硬く感じることがあるため、使用環境に注意が必要です。

ラテックスマットレスとの比較

ポケットコイルマットレスと比べて…
  • 寝心地:柔らかめ
  • 通気性:高い
  • 振動吸収性:高い
  • 価格:高い
  • 体圧分散性:高い
  • 重さ:同じくらい

ラテックスマットレスは、天然ゴムから作られており、自然素材を好む人に人気があります。体圧分散性もポケットコイルと同等かそれ以上で、柔らかく、包み込まれるような寝心地が特徴です。ただし、価格は非常に高くなることが多く、またラテックスアレルギーを持つ人には適していません。

ポケットコイルマットレスを選ぶ際のポイント

ポケットコイルマットレスを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらをしっかりと確認することで、長く快適に使えるマットレスを選ぶことができます。

コイル数を確認する

コイル数が多ければ多いほど、体圧分散性や寝心地が硬めになる傾向です。一般的には、シングルサイズで500~1,000個のコイルが使われています。体圧分散性が高め、寝心地が硬めが良ければ、コイル数の多いものを選ぶと良いでしょう。

「コイル1,200個」と表記されていても、2層合計のケースもあります。その場合、実質的には1層のコイル数が標準的であるため、パッと見の数値では判断しないようにしましょう。

コイル品質を確認する

コイル自体の品質も重要です。コイルの高さや太さ・材質によって、マットレスの耐久性や寝心地が大きく変わります。高品質なスチールや、耐久性の高いコイルが使用されているかどうかを確認しましょう。また、へたりにくい加工が施されているかどうかも重要なポイントです。

コイルの品質について
  • コイル高:高いほど柔らかくなる
  • コイルの巻き数:巻き数が多いほど
  • コイルの太さ(線径):太いほど寝心地が硬めになる
  • コイルの線材:「硬鋼線」より「ピアノ線」が高品質
  • コイル配列:並行配列より交互配列の方が硬め

上記は、あくまでも個々で見た場合の傾向です。実際にはさまざまな要素が合わさって寝心地がつくられます。

保証期間やアフターサービスを確認する

マットレスは長期的に使用するものなので、保証期間やアフターサービスも確認しておきましょう。特に、コイルのへたりや初期不良に対する保証が充実しているかどうかが重要です。また、定期的なメンテナンスや、購入後のサポートがしっかりしているブランドを選ぶと安心です。

コイルマットレスは、保証対象となるのが「コイルのみ」の場合もあります。表面で使われるウレタンフォームなどのクッション層が保証対象となるのかどうかもチェックしましょう。

ポケットコイルマットレスの使い方

ポケットコイルマットレスは、コイル素材が湿気に弱い、洗えないといったデメリットといえる特性があります。そのため、除湿シートやすのこベッド、マットレスプロテクターなどを使用することで、本体の劣化をおさえることができます。

おすすめは、ポケットコイルマットレスの上にプロテクター、シーツ、敷パッドの順で敷く方法です。もしくは、プロテクターの代わりにベッドパッドでも良いでしょう。

プロテクターは防水性が必要な場合、ベッドパッドは防水性がなくても良い場合といったように、使い分けると良いですね。

まとめ

ポケットコイルマットレスには、快適な寝心地や体圧分散性に優れた点がありますが、価格が高めであることや重量が重いなどのデメリットもあります。

選び方や使い方に注意し、デメリットを最小限に抑える工夫をすることで、長く快適に使用することができます。自分のライフスタイルに合ったマットレスを選び、良質な睡眠を手に入れましょう。

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